インボイス制度・電子帳簿保存法が当初より緩和されているって本当ですか?その1

消費税
03 /25 2024
本当です。

令和5年10月1日からインボイス制度が始まりました。
令和6年1月1日から電子帳簿保存法の本格運用が始まりました。

ところが、インボイス制度・電子帳簿保存法の運用ルールが徐々に緩和されてきていますので、令和6年3月時点で確認されている主な緩和内容を整理しておきたいと思います。それぞれの緩和内容を本ブログで日次解説していきます。

項目
緩和前
緩和後
ECサイトでの購入に係るインボイス
[電子帳簿保存法]
取引ごとにダウンロード&保存一定の場合ダウンロード&保存が不要
ETC利用料に係るインボイス
[電子帳簿保存法]
利用証明書のダウンロード&保存一定の場合利用証明書のダウンロード&保存が不要
自動販売機特例
[インボイス制度]
住所・設置場所を帳簿に記載する必要あり住所・設置場所を帳簿に記載する必要なし
出張旅費特例
[インボイス制度]
概算払いのみが対象概算払い・実費払いともに対象


本日はECサイトでの購入に係るインボイスの取り扱い緩和について説明します。



ECサイトでの購入に係るインボイスの取り扱い緩和


お問合せの多いご質問(令和6年3月)より
電取追2
ECサイトで物品を購入したとき、ECサイト上の購入者の購入情報を管理するページ内において、領収書等データをダウンロードすることができる場合に、領収書等データを必ずダウンロードして保存する必要がありますか。
【回答】
《ECサイトを利用した場合の領収書等データのダウンロードについて》
インターネット上でその領収書等データを確認できることとなった時点が電子取引の授受があったタイミングと考えられます。
このため、ECサイト提供事業者が提供するECサイトを利用し物品を購入した場合に、当該ECサイト上で領収書等データの取引情報を確認することができるようになった時点で電子取引の受領があったものとして、電子取引に係る保存義務者(物品の購入者)は、その領収書等データを保存する必要がありますが、当該ECサイト上でその領収書等データの確認が随時可能な状態である場合には、必ずしもその領収書等データをダウンロードして保存していなくても差し支えありません。
《この取扱いによる場合の要件について》
この取扱いは、ECサイト提供事業者が、電子取引に係る保存義務者(物品の購入者)において満たすべき真実性の確保及び検索機能の確保の要件を満たしている場合に受けることができますので、ご注意ください。
他方で、例えば、税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録の提示等の求めに応じることができるようにしている場合には、判定期間に係る基準期間(通常は2年前です。)の売上高が 5,000 万円以下の事業者又は電磁的記録を出力した書面を取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものを提示・提出できるようにしている事業者については、全ての検索機能の確保の要件が不要とされることから、ECサイト上の購入者の購入情報を管理するページ内において、検索機能の確保がなされている必要はありません。
《領収書等データの保存期間に関する注意事項》
領収書等データに限らず電子取引のデータ保存制度によって保存する電子データは各税法に定められた保存期間中、保存時に満たすべき要件に沿って適切に保存する必要があり、上記方法で保存している領収書等データは各税法に定められた保存期間が満了するまでECサイト上でその領収書等データの確認が随時可能な状態である必要があります。各税法に定められた保存期間が満了する前にECサイト上でその領収書等データの確認ができなくなる場合は、その確認ができなくなる前にその領収書等データをダウンロードして保存する必要があることにご注意ください。


つまり、まとめると
全ての事業者
ECサイト上の領収書等の電子データが「購入履歴」等で随時確認可能
↓↓↓
ダウンロード&保存不要
※事務処理規程等による改ざん防止措置、「購入履歴」等において日付・金額・取引先で検索可能であることが求められます。
基準期間の売上高(2年前の年間課税売上高)5000万円以下の事業者
電子取引データの検索要件不要なので
↓↓↓
全てのECサイトでダウンロード&保存不要
※事務処理規程等による改ざん防止措置が求められます。
【猶予措置】電子データを印刷したものを紙で整理保存している事業者
電子取引データの検索要件不要なので
↓↓↓
全てのECサイトでダウンロード&保存不要
※事務処理規程等による改ざん防止措置が求められます。
【猶予措置】電子保存できない相当の理由があるため電子データを印刷したものを紙保存している事業者
電子取引データの検索要件不要なので
↓↓↓
全てのECサイトでダウンロード&保存不要
※ECサイトへのログインID・パスワードはくれぐれも忘れないようにしてください!!

松野会計事務所ではこれまで既存のお客様に対し、「ECサイトでの購入に関する全ての取引データは特定の場所にダウンロード&保存してください。」とお願いしてきましたが、これからは上記のように軌道修正をしなければなりません。お客様の負担は減るのはいいのですが、お客様への個別連絡は弊事務所の大きな負担になります。

まつののまとめ
インボイス制度・電子帳簿保存法についてはかねてより実務的な実行性が難しいと考えられる事項が多々ありました。
ただし、導入前夜においては文書化された規定以上のことやそれ以下のことは言えませんので、事務所内のスタッフやお客様に対して規定通りの説明をしてきました。ところが、制度開始直後からルールの緩和が続くとなれば、記憶の洗い直し作業が必要になり、これまでの説明内容を再度説明しなければなりません。特にセミナーに参加していただいた方には緩和前の説明しかしておりませんので、大変心苦しい思いをしております。
今後、新しい制度を導入する際には実務の現場の声を反映し現実的な制度設計にしてもらえることを切望します。(と思っている矢先の定額減税、、、実務に最も近い税理士会が政策立案に積極的に関与していかないといけませんね!)

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